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2010.11.01

2010年度 柔道整復師会近畿学会発表報告2 学術発表

介護予防としてのトレーニング効果(第2報)

関西健康科学専門学校 松岡 直文/櫻井 裕士

教員 中井 陽一/池上 友広/池尻 稔明/佐々木阿悠佳

中島 琢人/澤 卓実/近藤 龍市/住田 行志

林 了大/井上 海平/中村 満

神戸女子大学大学院 西岡 奈保/田中 紀子

神戸女子短期大学 平野 直美

【はじめに】
我々は2008年・第33回近畿ブロック学会において、本校で65歳以上の高齢者に行っているトレーニングの効果について報告した。
前回ではトレーニングの結果、利用者の膝伸展力の増加、片足立ち時間の増加ならびに高血圧の改善などがみられたことから、トレーニングが高齢者の介護予防に有効であることを発表した。今回は、その後2年間にわたる継続的トレーニング効果について、栄養調査、咀嚼力判定、アンケート調査を交えて検討したので報告する。
【方法】
対象(利用者)は地域在住の65歳以上の高齢者42名(男性14名、女性28名)平均年齢75.2±5歳(男性76.3±5歳、女性74.7±6歳)である。
トレーニングは3ヶ月を1クールとし、ウォーミングアップ、集団体操、マシントレーニング、クールダウン・ストレッチを、2日/週(2時間/日)行っている。トレーニング効果の評価はトレーニング開始前と各クールの終了時に体力測定項目として、血圧、体重、握力、長座位体前屈、開眼片足立ち、閉眼片足立ち、ファンクショナルリーチ、膝伸展力、TUG(Time Up&Go)、5m最大歩行にて行った。
栄養摂取状況は利用者に食事調査票を配布し、3日間の食事内容の詳細な記載を依頼した後、聴き取り調査を行った。咀嚼力は咀嚼力判定用ガムを使用し色差計により判定した。
アンケートはQOLに関する17項目の質問を設定し、機能訓練に参加する前後を比較して、どの様な効果が得られたかについて5段階評価で回答を得た。
【結果および考察】
2年間にわたる体力測定結果では、膝伸展力増加とTUGの時間短縮がトレーニング開始6ヶ月目から有意にみられ2年目以降まで継続し、さらに開眼片足立ちテストの持続時間も12ヶ月目から有意な増加傾向がみられた。アンケート結果では約60%の利用者が「転倒予防」、「階段の昇り」に効果がみられたと回答しており、トーニング継続により筋力の向上やバランス機能の改善に有効であることが示唆された。
栄養摂取状況および咀嚼力判定結果からみると、咀嚼力の高い利用者では食品数が多く、栄養バランスのとれた食事をとっている傾向がみられた。また咀嚼力と握力との関係にも正の相関関係を認めた。
また、アンケート結果から、「腰痛の予防・改善」に効果がみられた者が約69%、「膝痛の予防・改善」に効果がみられた者が約60%であった。さらに、約81%が「生きがいを感じる」・「気持ちを明るく持つ」に機能訓練が有効であったと回答し、同様に約79%が「ストレス解消」に効果を感じていた。
上記の結果から、2年間の継続的なトレーニングは高齢者の体力や筋力の向上のみならず、身体的QOLならびに精神的QOLの向上にも有効であり、介護予防を目的とする機能訓練としても有効であることが示唆された。

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