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お知らせ
2010.11.01
関西健康科学専門学校における高齢者機能訓練プログラム
―― トレーニング効果の検討 ――
関西健康科学専門学校中井 陽一,池上 友広
池尻 稔明,佐々木阿悠佳,中村 満
【はじめに】
本校では、柔道整復師が機能訓練指導員として行う体力向上トレーニングをプログラム化し、附属接骨院の併設施設にて高齢者を対象に体操教室として実施している。 今回、我々は2年間に亘るトレーニング効果について検討したので報告する。
【プログラム内容】
対象(利用者)は地域在住の65歳以上の高齢者42名(男性14名,女性28名,平均年齢75±5歳)で、トレーニング開始前に聴き取り調査などのアセスメントを行い、個別にトレーニングメニューを作成している。トレーニングは3ヵ月を1クールとし、トレーニングメニューにしたがい、ウォーミングアップ、集団体操、マシントレーニング、クールダウンを2日/週(2時間/日)行っている。 なお、トレーニング開始前と各クールの終了時に行っている体力・バランス測定検査とアンケート調査により評価した。
【結果】
体力・バランス測定結果を利用者の平均値でみると、膝伸展力増加とTime Up & Go Testの時間短縮がトレーニング開始後6ヵ月目から有意にみられ、2年目以降まで継続する傾向がみられた。さらに、開眼での片足立ちテストの持続時間は12ヵ月目から有意な増加傾向がみられた。 アンケート調査結果では、トレーニングを実践することによって、約60%の利用者が「階段の昇り」、「息切れの改善」、「転倒予防」に効果がみられたと回答している。また、「腰痛の予防・改善」に効果がみられたものは69%、「膝痛の予防・改善」に効果がみられたものは60%であった。 上記の結果から、本校で実施している機能訓練プログラムは、高齢者の体力向上やQOLの改善に有効であり、介護予防を目的とする機能訓練プログラムとしても有効であることが示唆された。
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