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お知らせ
2010.11.01
関西健康科学専門学校における高齢者機能訓練プログラム
―― 臨床実習としての教育的効果 ――
関西健康科学専門学校 中島 琢人,池上 友広,中井 陽一,澤 卓実,池尻 稔明
佐々木阿悠佳,近藤 龍市,住田 行志,林 了大,中村 満
【はじめに】
本校の附属接骨院における臨床実習は、外来患者に対する臨床実習に加え、高齢者に対する機能訓練実習を行っている。実習目的は機能訓練指導員としての技術の習得、高齢者との交流を通しての対人援助のスキルアップ、医療人としてのマナー向上などである。
今回実習が終了した学生にアンケート調査を行い、その教育的効果について検討したので報告する。
【実習内容】
学生の機能訓練実習は1年次と2年次に行われ、実習内容は、トレーニング方法、トレーニングメニューの作成方法、介護保険の概要などの学習、ならびに高齢者への聴き取り調査、体力測定補佐、トレーニング補助などの実地が行われている。
アンケート調査は4回の実習が終了した学生100人に対して行われた。アンケート内容は目的達成度、学生の満足度などを問う8問の質問項目とし、5段階評価で回答を得た。
【結果】
アンケートの結果は、「あなたはこの実習に積極的に参加しましたか」という質問項目に対して「強くそう思う」と「ややそう思う」と回答した学生は合計で80%を占めており、学生の実習に対する学習意欲が高いことがうかがえた。さらに実習内容の満足度を問う質問項目では、「実習の内容は意欲的で価値あるものでしたか」では「強くそう思う」と「ややそう思う」と回答した学生は合計75%、「実習の履修目標を達成できましたか」では合計61%、「教員による指導体制は十分でしたか」では合計85%であった。また、「知的好奇心や医療に対する意欲が刺激されましたか」では合計75%の学生が「強くそう思う」と「ややそう思う」と回答した。
上記の結果から、高齢者の機能訓練実習は学生に対して高い教育的効果を上げていることが示唆された。
今後の課題としては、「高齢者とコミュニケーションがうまくとれましたか」の問いに、学生の74%が「コミュニケーションが取れた」と回答しているのに対して、高齢者へのアンケート調査では、約半数が学生に対して「わずらわしさ」や、「運動のじゃまになる」と感じていることから、今後、学生のコミュニケーションスキルを向上させるための、教育的プログラムの導入が必要であると考える。
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